WordPressからEmDashへの移し方。直すのはURLとリンクだけ
結論から言います。標準的な記事サイトなら、EmDashへの移行作業の中心は「URLとリンクの直し方」です。記事・固定ページ・画像・カテゴリはWXRエクスポートでまとめて移ります。本番で移行した人の公開実録がそれを裏付けています。やることを5ステップに分ければ、初めてでも迷いません。
この記事は、移行の判断全体を扱ったハブの記事の手順編です。実際の移行に必要なのは「ツールの操作」より「壊れる箇所を先に潰す準備」なので、その順番で書きます。
要点は次の3つです。
- 移行は5ステップ。事前調査 → WXR取り込み → URL/リンク修正 → 機能の組み直し → 公開とSEO引継ぎ
- 公式ドキュメントも「単純な公開サイトは通常きれいにインポートできる」と明言しています
- 壊れやすいのはプラグイン依存の部分。だから最初の調査に時間をかけるのが結果的に最短です
移行の全体像: 5ステップと押さえるポイント
全体の流れは次のとおりです。各ステップの詳細を、この後のセクションで順に解説します。
| ステップ | 作業 | 押さえるポイント |
|---|---|---|
| 1. 事前調査 | プラグイン依存・カスタム投稿の棚卸し | ここで見つけた物が「組み直し」の対象になる |
| 2. 取り込み | WXRエクスポート → EmDashへインポート | 記事・固定ページ・画像・カテゴリが移る |
| 3. URLとリンク修正 | 内部リンク・画像パスを新URLへ | 作業量の中心。機械的な置換で大部分が終わる |
| 4. 機能の組み直し | フォーム・会員などを作り直す | WordPressプラグインは持ち込めない |
| 5. 公開とSEO引継ぎ | URL維持・リダイレクト・インデックス確認 | 公開後の確認までをセットでやる |
ステップ1: 事前調査で、壊れる箇所を先に潰す
移行の成否は、最初の調査でほぼ決まります。公式の移行ガイド(WordPress から EmDash への移行ガイド)も、インポート前に「移行元がどのようなWordPressサイトか把握する」ことを最初に挙げ、確認対象として標準の投稿と固定ページ・メディアの添付・カスタム投稿タイプ・カスタムフィールド・Gutenbergブロックやショートコードを列挙しています。
同じドキュメントには、次の重要な一言もあります。
単純な公開サイトは通常きれいにインポートできますが、カスタムフロー・プラグイン生成フィールド・特殊なフロントエンドレンダリングに大きく依存するサイトは、インポート後に第二の実装パスが必要になり得ます。
つまり公式が明言しているのは、「普通のサイトならインポートで綺麗に移る」「複雑なサイトでも不可能ではなく、もう一段の実装で対応する」の2点です。不安になる必要はありません。調査で「第二の実装パス」の範囲を特定すれば、それが見積もりの中身になります。

調査のチェックリストは次のとおりです。
- [ ] 投稿・固定ページの総数と、公開必須のページの一覧
- [ ] 使っているプラグインの一覧(フォーム・会員・EC・予約など)
- [ ] カスタム投稿タイプ・カスタムフィールドの有無
- [ ] ショートコードの使用箇所
- [ ] 現在のサーバーでURLを維持できるか(リダイレクト設計の前提)
ステップ2: WXRエクスポートで、記事はまとめて移る
WordPressの管理画面から「ツール → エクスポート」でWXRファイルを書き出し、EmDash側に取り込みます。公式ドキュメントでは、WXRエクスポートとEmDash Exporterプラグインを使った取り込みが案内されています。
この工程の実態を、本番で移行した人の公開実録(EmDash を本番で半年使った料金と WordPress 移行 - Shinobi Works)から引用すると、「WordPressからは記事と画像が移り、直すのはURLとリンク」です。記事・固定ページ・画像・カテゴリがWXR経由で移るため、本文を1記事ずつコピペする作業は発生しません。
もう一つの実録(WordPressからEmDashへ移す全手順。実際に移して壊れた6つ - note)は、壊れた箇所を具体的に公開しています。ここで報告されている壊れ方は、画像パス・リンク・プラグイン由来の表示などに集中していて、「インポート自体は動くが、その後の修正が作業になる」という構造が読み取れます。先に潰すべき場所が分かる、有益な公開情報です。
ステップ3: URLとリンクを直す(ここが作業の中心)
インポートが終わったら、内部リンクと画像パスを新しいURL体系に揃えます。 WordPress時代のURLをそのまま維持する設計にすれば、この作業は置換処理が中心になり、SEOの引継ぎも最小リスクになります。
- 内部リンクの一括置換(ドメイン・パスの規則を決めてから行う)
- 画像パスの確認(WXRで画像は移るが、参照パスの書き換えが必要なケースがある)
- URLが変わるページは301リダイレクトを設計する
作業としては地味ですが、ここを丁寧にやったサイトは公開後の評価が変わらないのがSEOの実務です。逆にここを雑にすると、移行のすべての成果が失われます。(移行の判断全体はハブの記事も参照)
置換の進め方は、実務では次のようになります。
- 移行後サイトの全ページ一覧を作る(サイトマップまたは一覧ツール)
- 置換を「旧ドメインの完全URL」「相対パス」「画像パス」の3種類に分けて実行する
- 置換後はリンクチェッカーで内部リンクの切れをゼロにする。リンク切れゼロが公開の条件
- 名刺・SNS・メール署名など、サイト外に張られた旧URLは301リダイレクトで吸収する
なお、「本文はそのまま移る」部分は、本番で6サイトをWordPressから移した公開実録でも確認されています。同記事では、無料プランのCPU上限(1リクエスト10ミリ秒)で管理画面の保存が打ち切られた実測(22回中1回・中央値31ミリ秒)まで公開されており、移行後の運用設計まで含めて参考になります。

ステップ4: 機能を組み直す(フォームなど)
WordPressプラグインは持ち込めないため、フォームや会員機能などはEmDash側で作り直します。ここは減点ではなく、プラグインの保守から解放される代わりの一回かぎりの作業です。
- お問い合わせフォーム: プラグインを捨てて、静的サイト向けの送信仕組みを組み直す
- 見た目のカスタマイズ: Astroコンポーネントとして実装する(テーマとデザインの記事で公開した実測ベースの再現プロセスを使う)
- 会員・ECなど高度な機能: 要件を整理してから設計する。依存が大きいサイトほど、この工程の見積もりが重要
依存が大きいサイトほど費用と期間が伸びる理由はここで、料金を分解した記事の「作業費」に直結します。
ステップ5: 公開とSEO引継ぎ
公開はゴールではなく、確認までが移行です。
- URLを維持する設計なら301リダイレクトは最小限で済む
- 公開後はSearch Consoleでインデックス状況を確認する
- フォームの送信テストを本番で行う
この確認までをセットにするかどうかで、移行後の検索評価の回復速度が変わります。依頼する場合は、「公開後のインデックス確認まで」が見積もりに含まれているかを必ず確認してください(発注前チェックリストの確認項目です)。
自力でやるか、依頼するか
自力での移行が現実的なのは、記事数が少なく、プラグイン依存がお問い合わせフォーム程度のサイトです。この記事の手順と公開実録を頼りに進められます。
それ以外(記事が多い・カスタム投稿がある・フォーム以外のプラグインに依存している・サーバーの仕様を把握していない)なら、調査から任せるほうが、結果的に速くて安いです。理由は単純で、壊れる箇所の特定と見積もりは、調査をした人にしか出せないからです。
このサイトの運営者(フリーランスのWeb制作者)は、EmDash移行を受け付けています。問い合わせフォームからサイトURLを送っていただければ、壊れる箇所の棚卸しと費用レンジを含む調査レポートを先にお出しします。納得できてから着手するので、進め始める前のリスクはありません。
よくある質問
Q. 移行にかかる期間はどのくらいですか?
調査と取り込みは数日、作業量の中心はURL/リンク修正と機能の組み直しです。記事数とプラグイン依存度で変わるため、調査レポートで期間の目安を出します。まずは調査から始めてください。
Q. SEOの評価は引き継がれますか?
URLを維持する設計にすれば影響は最小限です。移行後のSearch Consoleでのインデックス確認までを必ずセットで行ってください。手順のステップ5がそのための工程です。
Q. 公開中のサイトを止めずに移行できますか?
できます。EmDash側で組み立てて検証を終え、最後に切り替えるのが標準的な進め方です。公開中のサイトには影響しません。
Q. 記事の装飾(色分けやボックス)はそのまま移りますか?
標準的な見出し・段落・画像・リストは移ります。プラグイン由来の装飾やGutenbergの複雑なブロックは、公式ドキュメントも「第二の実装パス」が必要と明言している範囲です。調査で数を数えてから判断します。
Q. 自力でやる場合、何から始めるべきですか?
この記事のステップ1のチェックリストを埋めることから始めてください。プラグインの依存が「フォームだけ」なら自力移行は現実的です。それ以外なら、まず調査を依頼するほうが結果的に安いです。
まとめ: 最短ルートは「調査に時間を割く」こと
- 移行は5ステップ。記事の本文はWXRでまとめて移り、作業の中心はURLとリンクの修正(本番実録と公式ドキュメントの一致)
- 壊れるのはプラグイン依存の部分。事前調査が最短ルート
- 公開後のインデックス確認までが移行。ここまでを見積もりに含めるかどうかで、業者の質が分かる
迷っている時間に更新と不安は続きます。まずはサイトURLを送るだけ。壊れる箇所と費用レンジを調査レポートで確認してから、進むかどうかを決められます。