ホームページリニューアルの費用と勘定科目【経費処理の目安】

アバター画像 groove

ホームページのリニューアルを検討するとき、費用の相場と同じくらい気になるのが「この支払いは経費になるのか」という話です。実はこの2つは連動していて、リニューアルの中身(何を変えるか)によって会計処理の考え方が変わります。

この記事は、依頼を検討している担当者向けに、費用相場・進め方・お金の処理を1本に整理したものです。要点は次の3つです。

  • リニューアル費用の全体平均は約138万円、中央値は88万円前後。発注の56%は10万〜100万円台に集中
  • 進め方は「現状分析→要件定義→設計→制作→移行→計測」の6段階
  • 会計上は資産計上して5年・定額法で償却するのが一般的な考え方(区分の判断は税理士に確認)

予算の組み方の基礎は費用相場と内訳の読み方、工程の詳細は制作の流れと期間で解説しています。

リニューアルの費用相場

お名前.comの解説記事「ホームページ リニューアルの費用と進め方」(WEB学園 byお名前.com、2026年7月更新・2026年9月取得)によると、リニューアル費用は次のような構造です。

規模費用の目安主な作業内容
小規模約10万〜100万円デザイン刷新・スマホ対応・SSL化
中規模(コーポレート)100万〜300万円構成変更・CMS移行・コンテンツ整理
EC・基幹連携300万円以上システム改修・データ移行・大量ページ移行

同じ調査によると、全体の平均は138.2万円・中央値は88.6万円で、発注の56%が10万〜100万円台に集中しています。「平均138万円」と「中央値88万円」の差は、大規模案件が平均を押し上げているためです。自社の予算感は平均ではなく、自分の規模帯のレンジで判断するのが正しい読み方です。

また、初期費用を抑える月額制のサブスク型(初期0円・月額2,596円〜)も選択肢として紹介されています。ただし月額型は「総額での比較」と「解約時のサイトの持ち帰り可否」を必ず確認してください。維持費(ドメイン年約3,000円・サーバー月数百円〜)と、保守委託費(月5,000円〜20,000円が約6割という調査データも同記事)は、初期費用とは別のランニングコストとして計上します。

リニューアルの進め方: 6段階

新規制作と工程は似ていますが、リニューアルには現状の資産を壊さない作業が加わります。

  1. 現状分析: アクセス解析・検索順位・問い合わせ数を数値で記録する。「なんとなく古い」ではなく、どの数値を改善するリニューアルかを決める
  2. 要件定義: 残すページ・統合するページ・廃止するページの棚卸し。URLの変更有無をここで決める
  3. 設計: サイトマップ・ワイヤーフレーム・デザイン(制作の流れと期間の工程表がそのまま使えます)
  4. 制作: 新旧で並行して作り、本番を触らない
  5. 移行: URLが変わるページには301リダイレクトを設定し、検索評価を引き継ぐ
  6. 計測: 公開後、現状分析で記録した数値と比較する

WordPressからの移行を伴うリニューアルの場合は、CMSを廃止した実例のように、保守コストの削減をリニューアルの目的に組み込むこともできます。

勘定科目と経費処理の考え方

リニューアル費用の会計処理は、「宣伝としての支出か、資産としての改良か」で考え方が分かれます(出典: マネーフォワード クラウドの解説・モチベ「ホームページのリニューアル費用は減価償却できる?」、いずれも2026年9月取得)。

  • 資産計上(減価償却)する考え方: ウェブサイトは自社で利用するソフトウェアと捉えられ、法定耐用年数5年・定額法で償却するのが一般的です。大規模なリニューアル(構成変更・CMS移行)はこちらに該当しやすい
  • 経費(広告宣伝費等)として処理する考え方: バナー制作やキャンペーン用LPなど、宣伝効果が短期で尽きる性質の支出は広告宣伝費として処理されるケースがあります
  • 機能追加の扱い: 既存サイトへの機能追加(例: 100万円の予約システム実装)は、元の償却残に関係なく新たに5年かけて償却する考え方です

ここで大事な注意点があります。どこまでが資産でどこからが経費かの区分は、支出の中身と会社の状況で変わります。考え方を図に整理すると次の通りです。

リニューアル支出は宣伝目的なら広告宣伝費、サイトの改良なら資産計上して5年償却の考え方

この記事は目安の整理であり、最終判断は担当の税理士に確認してください。見積もりの段階で「デザイン刷新」「機能追加」「保守」と項目が分かれていると、この区分もつけやすくなります(見積書の読み方を参照)。

リニューアルのタイミング

「何年ごと」と厳密な規定はありませんが、次のサインが重なったら検討タイミングです。

  • スマホ表示が崩れている、またはレスポンシブ化されていない
  • SSL化(https)されていない
  • 公開から3年以上経ち、デザインの古さを指摘された
  • 問い合わせ数が伸びない原因が「サイトの見え方」にあると分析できる
  • 会社の事業内容が変わり、サイトの構成が実態と合っていない

逆に、数値が健全で更新も続いているサイトを「なんとなく」で作り直すと、[平均138万円]の出費に対して成果が変わらないリスクがあります。リニューアルの前に、目的を発注3-2-1の形に落とすのが失敗しない進め方です。

よくある質問

Q. リニューアル費用は経費で落ちますか?

使い方次第です。大規模な刷新は資産計上して5年・定額法で償却する考え方が一般的で、宣伝目的の短期支出は広告宣伝費として処理されるケースがあります。区分の判断は税理士に確認してください。

Q. 何年ごとにリニューアルすべきですか?

規定はありませんが、3〜5年でデザインの陳腐化を感じるケースが多いです。年数より、スマホ対応・SSL・数値の3つのサインで判断するのが確実です。

Q. 部分リニューアルでも意味はありますか?

あります。問い合わせ導線だけ刷新する、実績ページだけ作り直すといった部分刷新は費用を抑えられ、効果測定も簡単です。全刷新は、構成やCMS自体を変えたいときの選択肢です。

Q. 月額制のサブスク型は得ですか?

初期費用を抑えたい場合に有効です。ただし5年総額で比較すること、解約時にサイトを持ち出せるか(データの所有権)を確認することが条件です。 月額2,596円でも5年では約15.6万円になり、小規模リニューアルの初期費用に近づきます。

Q. 保守契約は続けるべきですか?

CMSを使い続けるなら必須です。逆に静的な構成への移行をリニューアルの目的に含めれば、保守の負担自体を減らせます(CMS廃止の実例参照)。

まとめ: 費用と会計をセットで計画する

  • 相場は平均138万円・中央値88万円。自社の規模帯のレンジで予算を組む
  • 進め方は6段階。移行時に301リダイレクトを忘れない
  • 会計は資産計上(5年・定額法)が一般的な考え方だが、区分は税理士に確認

現在のサイトの状態をお問い合わせに共有いただければ、リニューアルが必要か・部分刷新で足りるかの判断からお手伝いします。

シェア

  • Facebook
  • LINE
  • X
WordPressを静的サイトへ移行した全手順【CMS廃止の実録】 ホームページ制作の依頼で失敗しない方法|発注前チェックリスト